ねこれくと写真館 廃絶版招き猫1

 我が家の招き猫たちから新旧取り混ぜて今では製作されていない招き猫たちを紹介していきます。


No.1  渋江練物

 No.1  渋江練物

プロフィール
 @大きさは50mm(横)×52mm(奥行)×73mm(高さ)
 A練物
 B目の描き方、背中の黒い斑点の描き方に特徴がある
 Cひげと尾はない
 D前だれに赤の三点模様
 E型は鴻巣の練物と同じ
 F米沢から出たもの(骨董屋談)

No.2  八橋土人形
 最初は鶴岡土人形かと思ったのですが、底の特徴から八橋とわかりました。八橋は最盛期にはかなり多数の制作者がいたようでいろいろなタイプの招き猫を見かけます。しかし昭和10年代にはすでに製作者は3人だけとなってしまいこれはいつ頃の誰の作品かわかりません。私自身は初めて見る型です。

   

    
 No.2  八橋土人形

プロフィール
 @大きさは39mm(横)×36mm(奥行)×56mm(高さ)
 A土人形
 B胡粉の塗りは薄い
 C裏側は首ひも以外彩色はない
 D底は八橋人形の特徴で、ふさがれ少し内側に押し込まれている
 E中に土の玉が入っており、振るとカラカラと音がする


No.3  八橋土人形
 No.2とはかなり形の異なるタイプです。この型は「幸せの招き猫」(1995,藤田一咲・村上瑪論)のp.48にある招き猫の型と同じです。この本に掲載されている招き猫は京都の平田氏の所有と思われ、「おもちゃ通信200号猫尽くし」(1998、平田嘉一)にも同じネコが掲載されています。ただ彩色に関しては顔、前垂れ、毛並みまですべて異なり、私の猫よりかなりどぎつい彩色になっています。

        
 No.3  八橋土人形

プロフィール
 @大きさは60mm(横)×50mm(奥行)×112mm(高さ)
 A土人形
 B胡粉の塗りは薄い
 C赤に金色の前垂れに金の鈴
 D後ろ足の黒斑点のぼかしの筆使いに特徴がある
 E底は八橋人形の特徴で、ふさがれ少し内側に押し込まれている
 F尾はあるが彩色されていない

No.4  仙台埋もれ木細工の招き猫

 東北の骨董屋から出たもので、最初はクマかと思いましたが右手を挙げている姿は招き猫以外の何者でもありません。その他に埋もれ木に小さな富士山を彫刻したもの(メタセコイアの化石と表示してあった)がありました。この猫は左耳の先端が欠けていますが富士山の半額以下の値段で売られていました。骨董屋が埋もれ木細工ということを見逃していたのかもしれません。現在は材料の埋もれ木自体がとれなくなったのと埋もれ木の保存のため仙台名産の埋もれ木細工は廃絶状態(あるいは廃絶:骨董屋の話ではもう作っていない)のはずです。
 招き猫の材料は維管束の断面が見られることから明らかに植物の化石(右下の底部の拡大)ですが、顕微鏡で観察しなければメタセコイアであるかはわかりません(これでも専門は古植物学でした)。口の上の傷も天然素材故の材料にあった傷です。
 ビーズの通し穴を猫の針状の目に見立てている工夫もおもしろいと思います。おそらくかつては土産物屋にたくさん並んでいたのでしょうが、埋もれ木細工の招き猫はこれ以外見たことがありません。

   背面

 

      底部の拡大

 
No.4  仙台埋もれ木細工の招き猫

プロフィール
 @大きさは57mm(横)×63mm(奥行)×144mm(高さ)
 A埋もれ木(植物の幹の化石)
 B目はビーズ
    


No.5   男山八幡石清水の簪(かんざし)

 招き猫探しをしているとたまに思わぬところで掘り出し物に出会うことがある。これもその一つで2本で300円という値段であった。最初は正体がわからなかったが後でかつて京都の男山八幡宮の参道で売られていた簪とわかった。今はもうないと言うことだったが、気になるので2年ほど前に行ったことがある。ケーブルカーで上がったがアッという間に着くほど小さな山だった。特に縁日の日でもなかったので人影もまばらである。地元の人が何人か散歩をしている。きっと祭礼の日は大勢の人で混み合うのだろう。
 簪は糸で招き猫や小判、鶴を止めてあり、小判も昔ながらの金属製で手間暇かけた作りとなっている。かつて参道の露店で簪を買う参拝客の姿に思いを馳せながら帰りは山道を徒歩でおりた。
 きっと関西の骨董市を丹念に探すと段ボール箱に放り込まれた観光みやげの人形と一緒に石清水の簪が探し出されるのを待っているはずである。


          
 No.5  男山八幡石清水の簪

プロフィール
 @招き猫の高さ16.5mm
 A赤い玉はナンテンを表す
 B小判は金属製
 
  参考 
    丹頂鶴と熊手


No.6
   渋江練り物 その2
 渋江の練り物は2作目です。購入した骨董屋の話では千葉の人形と言うことですが、明らかに渋江であると思われます。型は異なりますがNo.1の渋江練り物と特徴は似ています。目の描き方は雑ですが、基本的には同じ描き方です。骨董屋も人形の産地に関しては他の業者の言葉が頼りで自信がないようですが、銚子で出た物というのは間違いないらしい。
 最近、渋江の練りのので背中に葉の付いた桃の実をデザインした犬を書籍で見かけました。猫の背中の模様と形が似ています。案外猫の黒い斑点を桃の形の輪郭に似せて描いたのかもしれません。

       
 No.6  渋江練り物 その2

プロフィール
 @大きさは47mm(横)×39mm(奥行)×70mm(高さ)
 A練物
 B目の描き方、背中の黒い斑点の描き方に特徴がある
 Cひげと尾はない
 D前だれに白の班点模様
 E銚子から出たもの(骨董屋談)
 


No.7   天草土人形
 中野のひな市の帰りに京都大骨董市に寄ってきました。関西の骨董市は東京とは出品される郷土玩具も傾向が少し異なるのでできるだけ行きたいのですが、なかなか時間はとれません。今回でやっと2回目です。中野のひな市に行列していた人の中にも最初に骨董市に行ってから来た人もいました。
 最終日でしたがおもしろい物がいくつかありました。ちょっと懐も寂しかったのですが、2点入手してきました。その内野1点がこれです。
 いつもチェックしている店をのぞいてみると、棚の上に見慣れない招き猫が他の招き猫に混ざって座っていました。手に取ってみると少し欠けがあり、顔の左側に汚れがありました。裏には「天草」と墨書きしてあります。どうも墨書きは後から書かれたものではなさそうです。天草土人形の存在は知っていても招き猫があることは知りませんでした。
 店の主人に伺うと、長野県の本屋から出たもので骨董屋の間を転売されたものではないということでした。本屋の主人曰く「天草の土人形で結構珍しいものだ」ということです。
 天草の招き猫など聞いたことも見たこともないので真偽のほどはわかりません。状態など気になる点もあるのですがこれを逃したら再び会えないかもしれないので、値段の交渉にうつりました。だいたいこちらの予想した値段が出てきました。もう一押ししたかったので、ちょっと場を離れ、少ししてから再び交渉しましたが、値段は変わらず、その値で連れて帰ることとなりました。

          
    No.7  天草土人形

プロフィール
@大きさは103mm(横)×74mm(奥行)×78mm(高さ)
 A土人形の貯金玉
 B赤の首輪に金の鈴付き
 C短いひげとまゆ毛が描かれている
 D底はふさがれ、八橋土人形のように底上げしてある
 E底に「天草」の墨書き
 F長野県で出た(骨董屋談)