鴻巣練り物 太刀屋(旧)   


 暫定版です(2018年11月10日 画像追加)

鴻巣練り物
 種類:練り物
 制作地:埼玉県鴻巣市人形
 現制作者:大塚文武・雅道

  大塚七五郎(初代 安永・天明)・・・・大塚安八(2代目 寛政・享和)・・・・大塚安兵衛(3代目  ー天保12年)・・・・大塚伊兵衛(安兵衛)(4代目 ー明治13年)・・・・大塚安兵衛(5代目 ー大正2年)・・・・大塚高助(6代目 −大正15年)・・・・大塚國造(7代目 −昭和19年)・・・大塚忠雄(8代目 大正4年−昭和61年)・・・・大塚文武(9代目 昭和18年− )・・・・大塚雅道(10代目 昭和48年− )

鴻巣練り物
 鴻巣では古くから練り物人形が制作されていた。特に赤ものは有名で今でも少数制作されている。
 招き猫に関しては、現在わかっているところでは4店(うち1店は常時制作していない)で制作されている。残念ながら現在赤もの招き猫は制作されておらず、骨董市などで見かけるタイプのものも制作はされていない。
 現在「たちや」では大塚文武氏により招き猫が制作されている。「たちや(太刀屋)」は安永年間の大塚七五郎から、安八→安兵衛→伊兵衛(安兵衛)→安兵衛→高助→國造→忠雄→文武(当代)→雅道と受け継がれてきた。

たちやの招き猫の種類は小々(6.5cm)・小(9.4cm)・中(13.2cm)・大(17cm)・大々(23cm)の5種類をサイズがある。また白猫以外に黒猫がある。ただし大々のみ黒猫はない。いずれの型も先代が制作したものである。


                  
                   太刀屋


 

     
      型は左から中、小、大、大々


       
    大々(だいだい)     大


大々木型 正面




昨年(2004年)の11月に埼玉の張り子の記事を書くために県立図書館など資料集めをおこなっていました。場所も近いので久しぶりに鴻巣へ招き猫の入手に行きました。前回購入したのが1998年ですからもう6年も前になります。


鴻巣第4の招き猫   たちやの練人形

 秋も深まった98年11月にしばらくぶりに鴻巣の町中を歩いてみると、あ る店のショーウィンドウに招き猫がいくつか展示してありました。その中のいちばん大きいものは『秋元人形店』でも『臼井常吉商店』でも見 なかけ大型のものでした。これは!と思い、早速店に入り在庫を確認するとあるということですぐに入手しました。
 さて、その店とは天保5年創業の『たちや(太刀屋)』です。以前「いまの焼き」の吉田さんに価格が安いとうかがって、店の名前はうかつにも忘れてしまっていたのが、この『たちや』ではないかと思います。
 『たちや』の大塚文武さんのお話では最近になって雛人形では日に焼けてしまうのでかわりに赤ものと一緒に置いたということです。かたちは前記の2店のものとひじょうによく似ています。これは同じ職人が型を作っているためのようです。サイズは小々(6.5cm)・小(9.4cm)・中(13.2cm)・大(17cm)・大々(23cm)の5種類を作っています。そのなかでも注目は大々(だいだい)です。これは現在入手できる練り物の招き猫では全国でも最大ではないかと思います。大々の猫の色は白のみです。特徴としてはこの型のみ型抜きをしてから手を付けるので完全に顔と手が離れていることです。型抜きは弟さんがされているということです。彩色などは秋元人形店のものと似ています。
 人形作りの手の空いた時に赤ものと共に作られているということですので、常時在庫はないかもしれません。でもぜひこの大型練り物の招き猫をいつまでも作り続けていただくためにも、皆さんに知っていただきたいと思い紹介しました。

    たちや   埼玉県鴻巣市人形3ー1ー51
          0485ー41ー0568

  ※なお、パンフレットによれば、福島の会津天神は『たちや』の祖の大塚安兵衛の作といわれているそうです。
  ※1月に再び購入しにいくと、ショーウィンドは雛人形にかわっていました。五月の節句が過ぎるとまた元に戻るかもしれません。

 ※上記の文章は1999年に日本招き猫倶楽部の会報「福の素」に投稿(福の素No.25に掲載)した文章の原文です。
 No.2  鴻巣練人形  (たちや屋)

プロフィールと詳細写真は改めて掲載します

 大きい順に「大々」、「大」、「中」、「小」、「小々」


追加画像 (2018年11月10日)
 別件で写真を捜していたら『たちや』の写真が出てきました。1998年11月のものではないかと思います。ちょうど20年前です。

   
『たちや』外観  
   
 獅子頭、赤天神、虎なども見える  『たちや』の招き猫群

 ネガを見ると110(ワンテン)フィルムです。酉の市や青梅のまつりも写っています。1998年の11月に間違いないと思います。当時けっこうこだわりを持ってカメラを買って(収集)いたのでその試写も兼ねていたと思われます。残念ながらわが家には黒猫は一匹もいません。あとで買おうと思ってとりあえず白を買ったと思われます。
 その後、翌年の1月に訪問したのが鴻巣へ行った最後かもしれません。
 そろそろ黒猫が欲しくなってきた。終活との板挟みで悩むところだ。

 なお、このページは暫定版となっている。もう少し画像を大きくし、サイズがわかるようにして、4方向からの画像を加えて完成版となる予定だ。もう少しお待ちを。




参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド2(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)