新耽奇会展に加州猫寺の猫出張する


 今年の7月に早稲田大学演劇博物館から突然メールで加州猫の出品依頼があった。

 何でも新耽奇会の企画展示で我が家の加州猫を展示したいというのだ。送られてきた企画書は次のようであった。

                      早稲田大学演劇博物館 新耽奇会企画案

1.名  称:新耽奇会展(仮称)

2.会  期:2013年10月15日(火)~11月30日(土) (会期中無休)

3.会  場:早稲田大学演劇博物館1階 特別展示室

4.観覧料 :無料

5.観覧時間:10:00~17:00 (火、金は19:00まで)

6.主  催:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

7.助  成:芸術文化振興基金

8.協 力:国立国会図書館、都立中央図書館、早稲田大学図書館、文行堂など

9. 趣旨: 「新耽奇会」は、江戸時代の曲亭馬琴らが興した「耽奇会」に倣い、参加者が各々

の興味にそった珍品奇物を持寄って論評しあった会である。昭和初期に催されたこの会

には、三村竹清、内田魯庵ら当時の知の巨人たちが集い、ゆるやかなネットワークを形

成しながら、既成の知をゆるがす奇物を愉しんでいた。

      本展示示では、三村竹清が出品物を写生した記録集『新耽奇漫録』(演劇博物館所蔵 初

公開)と加賀翠渓『新耽奇会図録』、貫井慈園『新耽奇会記録』をあつめ、会に持ち

寄られた器物の実物や関連資料をあわせて展示することで、「新耽奇会」の世界を再現

する。同時に、「新耽奇会」の精神に倣い、数十万点に及ぶ演劇博物館所蔵品中の奇物

      を展示し、「新耽奇会」を追体験することで、「奇」を愉しむ「新耽奇会」の魅力を紹介

したい。

10.展示内容、展示資料(案):

Ⅰ「新耽奇会」再現

三村竹清筆『新耽奇漫録』(演劇博物館)、三村竹清『不秋草堂日暦』(演劇博物館 ロ

     03-01153)、加賀翠渓『新耽奇会図録』(都立中央図書館 加賀文庫1468)、貫井慈園『新

耽奇会記録』4冊・人形・解縄左右二筋・烏帽子(紙製)・袋・紙片(国会図書館)、火浣

布・同包み紙(早稲田大学図書館 文庫08‐C1403)、曲亭馬琴使用陶枕(3486)ほか

Ⅱ 演劇博物館の奇物

人魚図(イ11‐1346‐7945)、七世一龍斎貞山使用怪談噺用立高座(11471)、七世一龍斎

貞山使用お岩の人形(11365)、柳亭左龍師使用怪談噺用大仮面(2873)、ダーク式糸あや

つり人形(10052、10053)、三津田健使用シラノのつけ鼻(17444)ほか

11.出版物(予定):図録A4判  500部

          チラシA4判 10000枚

12.申請者:館長 ○○○○○

13. 担当者連絡先:早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

          〒169-8050 東京都新宿区西早稲田1-6-1

           Tel:・・・・・・・(直通)  Fax:・・・・・・・・

                博物係 ○○○○、○○○○



 我が家には3匹の加州猫がいるがどれもあまり保存状態がよくない。そのようなものでよければということで、保存良好の持ち主も紹介しつつ承諾の返事を送った。私の物でよいということで突如として我が家の加州猫が展示会に出張することとなった。
 今回出品するのは早稲田大学にある坪内博士記念演劇博物館の『新耽奇会展 奇想天外コレクション』という企画展で、加州猫寺調査隊その17でも紹介した昭和初期の趣味人の会合「新耽奇会」の記録帖やそれに出品した物品、そして早稲田大学が所蔵する「現代の耽奇会」といった企画展だ。

 あまりごちゃごちゃ説明するより、先の企画書や端的に説明しているパンフレットを見る方がわかりやすいだろう。

 新耽奇会展 奇想天外コレクション
 「新耽奇会」は、昭和三年(1928)から十一年にかけて全12回催された好古家たちの集まりです。この会に集まったメンバーは、江戸の諸芸万般に通じた、三村竹清と林若樹、丸善書籍部顧問をつとめた文芸評論家内田魯庵など昭和初期のいわば知の巨人たちです。そうした彼らが、アカデミズムが及んでいない庶民の生活のなかにある品々や海外からの物珍しい器物などを会に持ち寄り、、考証を加えることで、新たな知の世界の探索をおこなっていました。
 「新耽奇会」では、出品物の写生や拓本、考証をまとめた記録集を参加者たちが作成しています。本展示では、この記録集「新耽奇会漫録」をひもときながら、会に持ち寄られた器物の実物や、参加者の関連資料もあわせて展示することで、「新耽奇会」の世界を再現します。同時に、「新耽奇会」の精神にならって、数十万点にも及ぶ演劇博物館所蔵品のなかから、普段はなかなか展示する機会のない選り抜きの奇物を展示iいたます。「奇」を愉しむ「新耽奇会」の魅力をご覧ください。
                                             「新耽奇会展」パンフレットより

 加州猫はこの展示の中で当時会に持ち寄られた実物(の同等品)として出品されたわけです。

※なお、加州猫寺の招き猫に関しては資料としての撮影は所有者の辻井が許可していますし、博物館・他の撮影画像や資料に関しては掲載許可をとっています。無断使用は禁止します。

搬入   2013年10月5日
 2013年10月5日(土)早稲田大学演劇博物館に我が家の加州猫3匹が出張した。早稲田大学は我が家jから行こうとすると意外に交通の便が少ないのだ。 都電を使うことにする。都電の終点停留所「早稲田」を降りるといきなりネコ発見。これはさいさき?がいい。

 演劇博物館はブルーシートに覆われて改修中だった。「本来の建物の姿が見られなくて残念です」と対応していただいた学芸員のIさんにいわれたが、いやいや改修中の姿の方が滅多に見られない珍しいものなのです。たぶんもう一生これだけの大改修には立ち会えないでしょう。なお、改修は10月いっぱいで終了とのこと。今度展示を見に行くときはきれいな姿を見ることができるだろう。ぜひ夜景も見てみたい。
 猫の写真を撮って傷みなどを確認。万が一に備え保険にも入っているのだ。
 どのような展示になるか楽しみだ。

 イタリアンNECOを帰りに観察。10月に開店したようだが残念ながら定休日かランチタイムをはずれているので休憩中のようでシャッターが閉まっている。後でネットで調べたら2~5日は予約制、7~12日はランチのみ、14日から本格オープンのようです。また行く機会があるので今度入ってみよう。正しい表記は『イタリアンNE'Co』のようだ。
                         イタリアンNE'Coへ

 それでは加州猫寺の猫の出張記録の始まり。

 久しぶりに都電に乗った。これまで職場は都電に近いところが多かった。現在の職場も近いのだがあまり利用する機会はない
     
何か縁がありそうだ  
     
 博物館は外壁の工事中  大きい画像を見る  玉に都電に乗るのもいい



 そして10月15日展示は始まった。10月いっぱい仕事も忙しいので見に行けずにいた。11月11日に講演会があるので午後何とか休暇を取っていこうと策を練った。しまった、午後仕事があった。それを済ませ、休暇を取って会場へ急ぐ。

 演劇講座にいく、そして見学  2013年11月11日
 途中にわかに空が暗くなり強い雨が降り出した。前線通過のようだ。早稲田の停車所でしばらく空の様子を見てから会場に向かう。雨はあがったが会場がわからない。看板もあるが小ホールはどこだ。うろうろしているうちに時間は過ぎていく。
 やっと大学の受付で聞いてたどり着いた。残念ながら講演の前半は聞けなかった。 

 講演の講師は中野三敏(九州大学名誉教授)とロバート・キャンベル(東京大学大学院教授)。定員300名の講堂はけっこうな人がいた。
 講演が終わり、受付で図録集の『新耽奇会漫録』を購入。図版を1ページに4葉掲載しているのでやや小さいのだが1000円は安い。

 その足で博物館の企画展示を見に行く。

 我が加州猫は展示ケースの真ん中に座っていた。残念ながら三村竹清の加州猫のスケッチはなかった。展示の入れ替えがあるというので次に期待しよう。
 出品目録をあらかじめ読んで予習していけばさらにおもしろく見ることができただろう。
     
 大隈講堂   地下の小ホールで講演会があった 
関連演劇講座】(終了しました)
早稲田大学演劇博物館HPより
日時

11月11日(月)14:45~16:15(開場14:15)

会場 早稲田大学大隈記念講堂 小講堂
タイトル

「曲亭馬琴、大沼枕山、三村竹清―近世、近代の好事家たちの集い」

講演者

中野三敏(九州大学名誉教授)

ロバート キャンベル(東京大学大学院教授)

司会:児玉竜一(演劇博物館副館長)

参加 入場無料・予約不要 【定員300名】
 
     
   外観工事が終わった演劇博物館  暖かい色の照明が美しい
     
 今回の図録「新耽奇会漫録」 コウ写真工房撮影 
 撮影禁止のため今回は撮影していません

右上の2枚の画像は
コウ写真工房撮影
演劇博物館より提供された画像を
博物館の許可を得て掲載
  
   
   イチョウは色づき、銀杏の匂いがする
     早稲田猫
白黒のノラネコがいた。
エサ箱や水の器があったので
この警備所で世話を
しているようだ。 
 北門警備所の脇に猫がいた 


 前回は記録写真を撮れなかったので、再度見学と撮影しに行く。

再度見学し、記録写真を撮る 2013年11月29日  
 明日で企画展は終わる。しかし明日は朝から出かけないと行けない。ちょうど金曜日は19時まで開館しているので行くには今日しかない。しかもまだ記録写真を撮影していないので行くしかない。
 今日も職場近くの王子から都電で早稲田に向かうのでした。
 もう11月末。クリスマスの飾りがあちこちに見られる。早稲田大学の北門付近にもきれいなイルミネーションが輝いている。
 
 演劇博物館前にもクリスマスツリーがあった。
 展示を一通り見てから、撮影の許可を求めた。「撮影禁止になっているので見学者がいないときに撮影して下さい」と言うことで許可をもらった。
     
  大学北門前の通りのイルミネーション 
     
 演劇博物館前にもクリスマスツリーがあった 火・金曜は19時まで開館している   この展示も明日一日を残すのみ
     
 博物館の中は木の廊下で昔のまま  ここが会場  
     
今回は加州猫の記録ページがあった     展示ケースの中央にいる加州猫
     
   こんなケースに入っています  向こうの展示は博物館のコレクションから
     
 右手前は平賀源内の防火布    
     猫目線のパノラマ画像
(なかなかおもしろい!)

演劇博物館の展示記録として
リコーのTHETA(シータ)で
鹿野安司氏撮影
(鹿野氏および演劇博物館の許可を得て掲載)

(現在は仮のアドレスに登録されているので
近々別アドレスに保存されるようです。
変更された際は
ここのリンク先も変更します。
 三村竹清のスケッチ  博物館のIさんが猫目線で撮影を頼んだ画像 
     
 今回も愉しませてもらいました    こんな物があった。掘削ビット
     
 イチョウもすっかり色づき散り始めている 大学を後にして、 今日も都電で帰ります



 猫にかかっている保険の期間もあるのであまり長くは置いておけない。土曜出勤のあと午後から演劇博物館に搬出に向かった。

搬出 2013年12月7日  
 搬入の時は雨が降り、見学の2日間は暗かったので気がつかなかったことがたくさんある。この博物館は名称の通り坪内逍遙の記念博物館だが入り口脇に「講義中の逍遙」銅像があった。木が覆ってきたので暗いときには気がつかなかった。 正面の立て看が置いてある部分は舞台になっている。正面の文字は読めなかったが調べてみるとラテン語で「Totus Mundus Agit Histrionem」なのだそうだ。
     
 4回通った演劇博物館も今日でとりあえず終わり  こんなところに坪内逍遙像があった 正面は張り出し舞台になっている 
     
 もう次の案内看板が出ている  舞台正面の文字は
「Totus Mundus Agit Histrionem」

ラテン語で「全世界は劇場なり」なのだとか
 昼間はあまり目立たない
 

 この建物は新宿区有形文化財に指定されている
そうだ。
 坪内逍遙の銅像「講義中の逍遙」の右手と握手を
すると早稲田大学に合格すると云う言い伝えがある
のだとか。

 
 
 坪内博士とは坪内逍遙のこと  入り口も木の重厚な扉
    左の画像は
『新耽奇漫録』
新耽奇会展-奇想天外コレクション
展覧会図録より
演劇博物館の承諾を得て掲載 

木村仙秀のスケッチと比べるとおもしろい 
  別棟で受け渡し 大きい画像へ
手元を離れて2ヶ月以上、加州猫寺の猫は
多くの来館者の目に触れた。
まさかこんなに晴れがましいことになるとは
猫たちも思っていなかっただろう。
残念ながら裏に穴の開いた1匹は
出番がなかったがそれでも外の空気にふれた
だけでもよかった。
また今日から我が家の陳列ケースで
ひっそりと福を招くことになる。
このような機会を与えていただいた
博物館のIさん感謝しています。 
   
 早稲田大学しばらくさようなら 奥は北門警備室脇の猫くんの小屋か?に 



 記録として残すため、「ねこれくと」のトップページに掲載してあったお知らせもこちらに移動して保存したいと思います。
                                   (掲載期間 2013年10月5日ー12月14日)

    
 お知らせ
新耽奇会展---奇想天外コレクション

平成25年10月15日(火)~11月30日(土)

早稲田大学坪内博士記念演劇博物館

開館時間  10:00~17:00(火・金は19:00まで) 休館日10月31日
入場料 無料

 加州猫寺調査隊でも紹介した昭和初期の趣味人で好古家の集まり「新耽奇会」の
資料や関連資料の展示をおこないます。
公に出版されているのは加州猫は木村仙秀の描いたものですが、
他のスケッチも見られるかもしれません。

 なお、今回あまり状態のよくない我が家の加州猫3匹
(展示の際は3匹が入れ替えになるかも)も
展示資料として参加しています。

大きいパンフレットを見る(PDFファイル)

終了しました





 とりあえず、1ヶ月半におよんだ企画展は無事終了した。この年齢になって初めて早稲田大学(理工学部は行ったことがあるが)のキャンパスを歩いた。そして演劇博物館の存在を知った。今回猫が縁で目呂二や渡辺(亀高)文子とつながる会津八一の博物館の存在も知った。
 また近々早稲田大学のキャンパスを歩いていそうな気がする。
 今回私との連絡役となり、展示や図録の編集に関わってきたIさんはふっと気が抜けたおっしゃっていたがまさに次のステップに進むまでの間の正直な感想だろう。
 いろいろとお世話になりました。



               ひとりたびへ       加州猫寺調査隊へ