中川るな『階段下の子ども部屋』&奥野ビルを見に行く (2011年10月31日)

 昨年に続き銀座の奥野ビルで開催された中川るなさんの個展『階段下の子ども部屋』を見に行く。残念ながら猫抜き。今回はウールボールによるインスタレーション。あの倉庫のような小さな階段下のスペースを使っての展示だ。
 会期は10月31日(月)から11月5日(土)だが、土曜は仕事が入っており、3日は益子の陶器市と今年はこの時期予定が立て込んでいる。ちょうど代休になった31日しか行ける日はない。早速出かける。
 昨年初めて行った奥野ビルは昭和初期の建物。なかなか趣があるが電気配線は大丈夫なのだろうかと思うような建物だ。最近は人気があり賃料も上がっているのだそうだ。さらに撮影などにもよく使われているそうだ。

    
 案内状(2011年10月31日〜11月5日)  
隣の建て替えビルは大塚家具になっていた  アンティークショップも入っている 
奥野ビル    エレベーターの向こうの階段を下りる 
この下の地下ギャラリー    

 地下に降りていく。まさに降りていった階段下が会場になっている。今年はウール玉によるインスタレーション「階段下の子ども部屋」。この小さな部屋は照明による影がおもしろい。本来意図していることとは異なるのだろうけれど毎回(といっても2回目だが)いろいろな方向から眺めて影の造るおもしろさを楽しませてもらっている。

 今回展示に使われた毛玉はもしかすると預かっていた犬の毛を使っているのかと思ったが羊毛だそうだ。

 
 これが展示スペース 後ろ姿が中川さん  
左奥に毛玉クマさん  不思議な階段下スペース 
灯りに色が付くとまたおもしろい効果がありそう  クマさん敷物? 
  クマさん 
 
作者の意図とはちがうかもしれないが影を楽しむ それにしても不思議な空間だ 
 
  入り口のクマさん 

 照明の色を変えると色が混ざり合っておもしろそうな気がする。照明や音響が好きな者にとって影が造り出すおもしろさは思い入れがあるのである。

 中川さんの話ではこの準備には前日からかなりの時間がかかっているのだそうだ。この空間狭いのになぜか落ち着くのである。来年はどんな展示を見せてくれるのだろう。
 
 昨年はそのまま帰ったので今年は奥野ビルを探検。

 レトロなエレベーター アナログ表示  押してしまった
 
 手動ドア  このように開ける        内側のフェンスを閉めないと動かない
設計:川元建築事務所
所在地:東京都中央区銀座1-9-8
鉄筋コンクリート造り地上7階、
地下1階
竣工:1932年(昭和7年)
建設当初「銀座アパートメント」として
利用された。 
  パネルはごく普通  

 やはりあのレトロなエレベーターが気になる。今年は乗ってしまった。最上階から降りながら見学。さすがにメカは安全のため新しくなっているのだろうけれど入り口の手動式ドアはたまらない。つい長居したくなってしまう。

 内部の構造は見かけ以上に複雑なつくりだ。内部の様子が画像で見ていただきましょう。

 合資会社奥野商会 オーナーか?   向こうの階段 
 
  階段途中の不思議なオブジェ  
  内部はけっこう複雑なつくり   
 
正面はトイレ    猫がいた!
6階 行き止まりではなく7階へ  新しいつくりの一画もある 
   
   撮影もよくおこなわれている  

 また来年もここで個展が開催されるのだろうか。中川さんの作品とあいまって年に一度の不思議な空間体験であった。