=^・^=中野ひな市行く
                                                       2009年3月31日


 今年も中野ひな市の時期がやって来ました。今年も昨年と同じ、金沢で猫寺調査をやってから帰りに中野へ寄る(2泊)3日の旅でした。
 3月28日からスタートした高速道路の割引で混雑が予想されます。出発はちょうど3月29日の深夜(実際には28日の深夜に当たる)に出発しましたが、早くも上里SAでダウン。関越道も長野自動車道も途中でチェーン規制がかかっている。チェーンを撒くのが面倒だ。陽が昇れば規制は解除されるだろうか?

 目が覚めるともう朝だ。チェックするとまだ両道ともチェーン規制がかかっている。規制解除を期待して長野道を選択する。横川サービスエリアで釜飯を買おうと思ったがちょっと時間が早すぎる。情報を得るがまだ規制は解除されていない。どちらにしろ途中でダウンしてしまったため石川県立図書館での調査には間に合いそうもない。ゆっくり行くことにしよう。
 そのようなわけでで何と中央道から東海北陸自動車道を通るという迂回路を選択することになってしまった。

                       
                     アルプスの山並み   ゆっくりしすぎた!

 また眠気が襲ってきたので小黒川PAで休憩。そろそろ朝食を食べたい時間だ。サービスエリアガイドを見るとパーキングエリアなのでスナック程度の表示しかしていないが、ソースカツ丼がある。偵察すると白樺亭という食堂が入っている。定食関係が5〜600円台とリーズナブルな価格だ。

小黒川PA 安いメニュー 馬か丼

 今回食べたのは「馬か丼」(バカ丼ではない。うまか丼)。馬肉を使った肉丼で500円。
             残念ながらこの白樺亭は下り線(名古屋方面方向)でしか利用できないのが残念だ。

 東海北陸道を通って金沢到着。日曜なので図書館は17時で閉館だ。こちらは明日訪問することにしよう。
 本来は明日の朝行く予定だった、龍昌寺を偵察することにする。
 初めて近くにあるアピタに入り、駐車場を利用させてもらう(もちろん買い物もしましたよ)。
 龍昌寺(猫寺)跡地は変わっていた。これに関しては別にレポートを出します。

 翌30日は昼ごろには出発したかったので県立図書館の開館に合わせて出向く。しかし調べ始めると時間がたつのは早い。結局夕方まで飲まず食わずで調べものとなってしまった。
  「中島めんや」に寄り、買い物をする。今年は干支もの張り子を4点。今年は福小判ものの在庫が少なかった。

千両丑 辰起き上がり
巳成金 猿の三番叟

 金沢を出発するころには少し空が暗くなり始めていた。
暗くなり始めてから金沢を出発する。
途中で「福岡の湯」に入る。
福岡とは砺波の近くにある町だ。
  福岡の湯
 トム君のふるさと  滑川市民交流館
 滑川でちょっと寄り道。
トム君のふるさとだ。
もう少しするとホタルイカ観光で
賑わうはずだ。
             

 駅前も公園通りもホタルイカの
イメージ一色だ。
 妙高付近

 結局夕食は朝日町まで持ち越しになってしまった。 途中で力尽き、高速道路を100km足らず使うことにする。
 内陸に入っていくと先日の雪の名残がまだ残っている。高速を使ったため、余裕を持って中野に到着。いつもの町営駐車場で仮眠。

 朝起きるとあまり寒くない。雪が積もっていた年もあることを思えば快適だ。だいたい車のガラスの内側にほとんど水滴がついていないことこらもあまり気温が下がっていないことがわかる。
 おっ!トイレが新しくなっている。近くのコンビニに朝食を買いに行く。

 まだ駐車場も空いている  駐車場のトイレが新しくなった  まだ露店も出ていない
 商工会議所前も閑散としている  こちらは全国土びな即売会場  8時前常連さんが何人か並んでいる

 抽選なのであまり急ぐ必要もなく、ゆっくりした後、偵察に出かける。行列の定位置にはすでに8時前には列ができはじめている。常連さんだ。陣屋前駐車場で岐阜のNさん一行がうろうろしている。いつもお世話になっているNさんからうれしいプレゼントをもらってしまいました。もうこれだけで抽選にはずれても大丈夫。
 それにしても中野の朝としては暖かい。一通りうろうろした後、車に帰って朝食。これからの決戦に備える。

 
                        中野ひな市パンフレット


                         ひな市を伝える商工会議所発行「中野TMO瓦版3月号」

 
                     ひな市を伝える商工会議所発行「中野TMO瓦版3月号」



 9時近くになり、商工会議所の展示場も開館する。決戦前の会場を視察する。昨年から始まった事前の公開はゆっくり作品を見られるのでいい。今年もひな市前日の30日から公開が始まった。何といっても今年の最大の話題は奈良さんに後継者ができたことだ。その作品が今回初めて即売される。

 会場入り口  奈良家のブース
奈良久雄さん作
「唐人」小さい作品は最近少なくなっている 小判乗り猫(小判が厚い!)
干支もの俵牛
      
こちらは奈良由起夫さん作  全部で20点出品されていた
猫守り 奈良由起夫さん作 猫守り 奈良久雄さん作 奈良由起夫さん作  
地元の方々や取材陣も来ています

 今回の出品は奈良久雄さんが50数点、奈良由起夫さんが20点。奈良由起夫さんは今回初めての出品で、ふぐ乗り大黒、帳面大黒、天神、猫守り、に招き猫の出品だった。どれも基本に忠実な彩色だった由起夫さんの第1回作品ということで貴重な出品だ。招き猫では久しぶりに仔猫や座布団のない単独の猫が出た。小判乗りも今回はこれまでと異なり小判の束(25両を紙で包んだ『包み金』か?)の上に乗っている。

丁寧な彩色の奈良由起夫さん作の招き猫    単独の招き猫は最近めずらしい


 西原家の展示ブースは作品の数も多く、型も大型や組み物が多いので豪華だ。特筆すべきは一番大きな型の関羽が久しぶりに出品されたことだ。故西原邦男さんの奥様の西原久美江さんが初めてつくった関羽だそうだ。
 なんと黒猫の招き猫が出ていた。昨年Nさんの依頼で制作されたものを見ていただけに、今年出品されたことでこれからもコンスタントに制作されていきそうな感じを受けます。
 この展示会では正式に西原久美江作で展示されている。5代目と考えてよいのだろうか。ご子息も手伝われているということですので、奈良家同様に伝統は引き継がれそうな感じです。

西原家の作品は数があるので豪華
報道陣の取材に答えるスタッフ 久しぶりに関羽が出た
西原さんの作品は
サイズ違いや組み物も多い
縁起物や歌舞伎物が多い
黒猫が登場した! 黒猫のサイズは中のみ 昨年Nさんに見せてもらった黒猫


 こちらは当選者のみのVIPルームである梱包室。みんなこの部屋に入れることを願ってくじを引く。

梱包室入り口 エアパッキンの山 この紙は気がつかないのか
 みんなあまり使っていなかった。

 陣屋前駐車場に行くと全国土人形即売会も荷解きが始まっていた。こちらもいよいよ準備開始。
 陣屋脇の板塀には中野土人形の板絵?が展示されている。公募されたものだろうか?制作者も個人からグループと様々だ。この展示は常設なのか一時なのかわからないが「土びなの里」を売りにするにはいい企画だと思う。

荷解きが始まる
  小学校の卒業記念制作か?

 今年の陣屋の企画展は「日本の祭 おもちゃ展」。題名にもあるように郷土玩具に限定せず祭りに関係する民芸品やポスターなども含めた構成となっている。これまでの企画とはちょっと異なる印象を受けるが、これはこれで郷土に根付いた玩具や民芸品がたくさんあることを再認識させられる企画だった。

                         
                    企画展パンフレット

 奈良さんの大きな獅子舞も展示してある。奈良さん本人のお話では型抜きではなく手びねりの作品のようだ。中で操っている人の足を付けたかったのだが重さのため無理だったのだそうだ。

企画展入り口
さすが獅子舞は種類が多い 奈良さん制作の獅子舞
この寅頭は顔がいいな! 会田さん作の多摩張り子 堤の鯛車
こちらはとなりの三春張り子展示即売会場  作者はこんなことをやってなかなか会場にいませんでした

 さて行列はどうなったかともどるとかなり列が長くなっていた。仕方なく並ぶことにした。ひまなので時々列を離れては写真を撮ったり、前の方の様子を見に行ったり。大声で声をかけてくる集団を発見。富山土人形の「土雛窯」集団だ。いつも元気だ。やがて10時半ころになると整理券が配られ始めた。セリ件番号は157。これはくじを引く順番ではなく、あくまで人数を確認しくじを引く権利を得るもの。実際には200番以上のはず。この段階で列を離れてしまうとくじを引くまで時間がかかってしまうので離れる者はいない。やがて11時ころになると整理券配布終了の合図と共にくじ引きが始まった(らしい)。列が一行に進まないので偵察に行くと確かにくじ引きは始まっている。けっこう引いて明けるのに時間がかかるのです。どうも先頭集団は引きがあまりよくないようです。列に戻ると前進しており自分の順番を捜すのが大変。今年も「心を無にして迷わず最初に触れたくじを取り、一気に決める」でいきます。手を入れて触れた三角くじを取ると・・・・・。

まだ抽選は始まらない 整理券番号157  平日にもかかわらず列は
どんどん伸びてきた
 ここはもう駐車場の近く
取材陣の前で三角くじを開く 運命の分かれ道
邪念を捨て無心で引いた今年は・・・  →


 今年の購入案内。当選者だけがもらえる。これをもっている人はニコニコしている。

                   
  基本的なことは昨年と変わっていない


 今年の中野土びなの購入方法はほぼ昨年と同じで、次のようになっています。

平成21年中野ひな市 中野土人形の購入のしかた

@3月31日11:00までに中央通り(山城屋角)に並ぶ。
A10:30ころ 整理券の配布
B11:00 抽選開始

   当選者は午後の指定時刻までフリータイム

C即売会15:00〜 グループごとの指定時間の20分前までに商工会議所前に集合し、係員の指示で番号順に並ぶ。
 商工会議所館内で当たりくじを渡し、購入カードに記入する。
Dグループごとに2階の展示場に誘導され、番号順に10秒間隔で入る。
Eひな壇に展示されている人形を係員に指示し取ってもらう(ただし遠方の者のみ)
F人形を持って部屋の外にある精算所で代金を払う
G別室で置いてある梱包材を使って自分で梱包し持ち帰る


 即売会まで時間があるので次の目的は全国土人形即売会。くじにはずれた人も当たった人も仕切り線が外されるのを待っている。毎年中ノ子さんの古型博多人形の干支ものを買っているので偵察する。大正7年生まれの中ノ子勝美さんはもうかなり高齢だが、案内を見ると後継者ができたようだ。
 昨年もう廃絶といわれた清水豆人形は数は減っていたが今年も出ていた。真相はどうなっているのだろうか。

目当ての作品を見つめる観衆1 目当ての作品を見つめる観衆2
大浜土人形も目の感じが変わった  胸に鶴を抱いた猫もいる
  こちらも後継ぎができたようだ 毎年買っている古型博多の干支もの 
稲畑は招き猫が出ていたがけっこう高価
 白黒持っているで手を出さず
戦闘開始
こちら顔なじみになってしまった土雛窯の面々 あらら古川さん歳がばれてしまったじゃないですか。ぼかしを入れておきました!  

 先ほど声をかけてきた元気な富山土人形のグループも出品している。今年は招き猫なし!。案内板で代表の古川さんの歳がばれてしまったじゃない。何だ同じ歳だったのね。古い富山土人形の型をしきりに取りたがっていた。

 今年も絵付け体験の会場に奈良さんを探しに行きました。今年も絵付け体験の実演と指導をやりながら取材に答えています。今回は六代目の奈良由起夫さんもいっしょにいます。

こちらでも取材がおこなわれている 左が六代目の奈良由起夫さん リクエストに応え絵筆をとる奈良さん

 奈良由起夫さんはその話しぶりからひじょうにきまじめな感じを受けました。あまりに有名になってしまった父親の奈良久雄さんの後だけにいろいろな不安もあるようですが、ファンからは焦らずやってくださいという励ましの言葉が寄せられていました。

 さて即売会の時間が近づいてきました。あらためて購入案内を見ると販売30分前に集合と勝手に思いこんでいたが、3グループまでは2時30分集合となっている。あわてて商工会議所に向かう。みんな一人でも棄権者が出るのを待っているがそうはいきません。無事自分の順番に収まりました。

これが当選くじ 「1〜3グループのみなさ〜ん!」

 今年の購入方法は昨年とほとんど変わらないが、事前に当たりくじと交換した購入カードに記入して入場する点が違う。

 2グループでも後半になると奈良さんの大物は残っていない。

おかげ参り 今年はわかりやすい

 結局迷ったあげく「おかげ参り」になってしまいました。2グループの入場としては小さなサイズの作品ですが、丁寧に描き込んであり、午年の干支ものとしても使えることと、さらに毎年おかげ参りしていることが選択の理由。今年は売約済みの表示が大きくわかりやすくなっていました。


 商工会議所の向かいでは目立たないのだが毎年展示をやっている。今年は衣装ひな人形。


中野土人形の即売がおこなわれるころにはすっかり全国土人形即売会のテントも落ち着きを取り戻していた。

夜に向けて大灯籠びなの準備も進む 陣屋前の駐車場も即売会会場も落ち着きを取り戻してきた
まちかど土びな展では
「交換しましょ」の掲示も

 大道芸人現る。まさにそんな感じです。抽選に並んでいるところに突然あらわれ踊り出す。最初はみんな何者だろうとあっけにとられて見ている。後でパンフレットを見ると、何と三春張子の恵比寿屋十七代作者「橋本広司」さんでした。なんでもひょっとこ踊りの名手なのだそうだ。即売会場より外にいた時間の方が長かったのではないだろうか。

ラジカセで音楽持参 商工会議所前で 全国土雛即売会にも乱入

 恵比寿屋 十七代目 橋本広司さんです


三春張子については
郡山市ウェブサイト
張子の里「高柴デゴ屋敷」

沢石小学校社会科見学
    などを見るとよくわかります。

 ふだんから踊っているのね。
その正体は?
ここまで来ると陶酔の境地   ご祝儀を挟んで一礼


 夕暮れも近づいてきたので店が閉まる前に小布施の山屋天平堂まで「杏ぐらっせレア」を買いに行く。しかし北斎館前の店舗がない。確か駅の近くにあると聞いていたのでとりあえず駅まで行ってみる。地図を見ると線路沿いにあるようだ。
 話を聞いてみるとどうも向こうは店をたたんだようだ(2008年12月で北斎館前は閉店)。もっともこちらの方が駐車場もあるので買いやすい。今回も「杏ぐらっせレア」と「杏蜜(あんみつ)」を買う。杏蜜小とのし杏のおまけ付き。
 ついでに桜井甘精堂で栗羊羹を購入して今回のおみやげは揃った。

山屋天平堂 信州の夕暮れ

 さて出発する前に腹ごしらえをし、温泉に入って行かなくては。
 蕎麦屋の「しんしゅう」でそば定食を食べる。平日だがけっこう混んでいる。
 「しんしゅう」の向かいにある酒屋「善光寺酒店」には巾着招きが置いてある。のぞいてみると、さっき買い損なったリンゴジュースが置いてある。「ラフランスジュースもある。店の話ではラフランスはけっこう濃いのでリンゴジュースで割って飲むとよいとの話だ。両方買ってしまう。またおみやげが増えた。ついでに招き猫の写真も撮らせてもらった。

地元もけっこう行く「しんしゅう」 そば定食  地元の太鼓に合わせ出発
善光寺屋酒店(蕎麦屋しんしゅうの向かい)の巾着招き猫


 暗くなると地元の太鼓愛好会の太鼓を合図に大灯籠びなの町内巡行が始まった。久しぶりに巡行を見た。

日が暮れると大灯籠びなの巡行が始まった 
    
お参りをしたら・・・・     こんなのもらっちゃいました

 歩行者天国になった通りの真ん中に神社の末社がこしらえてある。お参りをしたら手作りの笹に結んだ縁起物をもらってしまった。

 さて後はいつものぽんぽこの湯(間山温泉)に入って帰るだけ。ここに積み上げてある雪の量を見るだけでも今年が暖冬気味だったことがわかる。

今年も暖冬で雪はわずか

 東京着4月1日未明。今年の中野ひな市詣では終わった。


今年の成果

 頂き物の奈良さんの巾着招き。これまで見たものはすべて巾着の口が閉じていたが、これは開いている。これの方がおもしろいのではないかという奈良さんの発想で2匹が扇子を持って招いているのだそうだ。おもしろいが何だか釜ゆでにされているようだ。
 購入品は2点出品されていた『おかげ参り』のひとつ。

巾着招き(頂き物) 参考:善光寺酒店所有 参考:金長食堂所有
おかげ参り
勝牛 大黒丑

 そして全国土人形即売会では古型博多人形の干支もの勝牛と大黒牛。今回はこの4点でした。


 昨年から始まった事前の展示見学は2年目にもかかわらずすっかり定着した感があります。ゆっくり見られるという点では評価されているようです。遠くから来ても抽選では買えないことも多いと敬遠される向きもありますが、今後もこの方式はしばらく続いていくのではないでしょうか。
 そしてひな市作者も確実に代替わりの時期を感じさせる今年のひな市でした。



 東京に着くと奈良さんから今年もまた作品の制作が間に合わなかったことのお詫びの葉書が着いていました。